時代の中で女性の飲酒率は大きく変化しました。
旧総理府世論調査によると、20代の女性の飲酒率は1968年には24%でしたが、87年には54%と2倍以上の伸びを示しています。
東京都の調査をみると、20代の女性の飲酒は2000年には74.8%。
2003年の厚生労働省の調査ではついに80%に至り、男性に伍して飲んでいることがわかります。
アメリカの妊娠可能年齢の女性の飲酒率(18~44歳)は50%強。
いまや日本の女性のほうが飲酒率は高いのです
日本の女性の年代別飲酒率に関する調査
旧総理府世論調査 1968・87
– | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
1968 | 24.00% | 22.30% | 18.60% | 14.90% | 9.00% |
1987 | 54.10% | 58.90% | 44.00% | 34.20% | 26.00% |
健康体力づくり財団調査 1996
– | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
1996 | 55.20% | 52.00% | 40.20% | 43.40% | 26.20% |
東京都の健康に関する世論調査 1997・2000
– | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
1997 | 69.80% | 73.20% | 67.50% | 55.00% | 40.70% |
2000 | 74.80% | 67.50% | 63.20% | 51.90% | 34.50% |
厚生労働省研究班調査 2003
– | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
2003 | 80.00% | 80.70% | 75.10% | 68.20% | 53.50% |
ちなみに2008年の厚労省研究班による全国調査では、20代前半で女性の飲酒率90.4%となり、男性の83.5%よりも高くなるという逆転現象が起きました。
では、妊娠中の飲酒についてはどうでしょうか。
厚生労働省の「国民健康栄養調査」と「厚生労働科学研究『健やか親子21』に係る研究」によりまとめられた推移をみると、女性の飲酒率(※)が横ばいなのに比べて、妊娠中の女性の飲酒率は平成17年(2005)の16.1%から25年(2013)に4.3%へと激減しています。
啓発活動の成果がまさに現われました。
ASKが「FAS国際シンポジウム」を開催したのが2003年11月。
そこで合意された内容にもとづき、翌年から「予防のメッセージ」を全国に配布しました。
また、酒類業界団体や関係省庁に対策や支援を申し入れ、アルコール容器の「警告表示」やCMでの警告表示、母子健康手帳の記述改訂などが行なわれました。
これに伴いマタニティブックでの飲酒に関する説明やインターネットでの情報なども正確なものが増え、数年の間に一般の認識が劇的に変化したのです。
※週3日以上、1合以上の飲酒をする人の割合。厚労省研究班の調査では、これまでの1年に1回以上飲酒している者となっている。
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妊娠中・授乳中の飲酒は、赤ちゃんにどう影響するの?
厚労省「健康日本21<第2次>」に対応した内容です。
ASKリバーシブル予防パンフ①『妊娠とアルコール/女性とアルコール』
※アスク・ヒューマン・ケアのホームページに移動します