イッキ飲ませで逝った我が子へのうた
まことなり輪廻転生来世でも母の子であれ眠れる吾子よ
学友より「向井は帰っていますか」と電話の向こうに弾む声間く
喜びて荷送りせしは三月前今帰りし荷に胸かきむしる
「ぱかたれ」と遣影に向いて哀しみと決別すべく我は叫びぬ
街に出て息子に似たるを探しおり息子を失いし母なる我は
かくまでにたくましき骨逝きし吾子母の倍をも生きられしものを
仕送り日駆けて行きたし銀行へこの母の願い届けよ天に
慟哭も許されざりし行為なり夫の気持ちおもんばかれば
午前四時息子の逝きし刻くれば胸になまりを抱くがごとくに
我よりも慟哭したきは夫ならむ男故そは許されざるや
吾子逝きて後期振込み届きしも退学届なおさら哀し
父母の愛かたむけて育みし十九才のいのち何処に