2014年10月31日、第1回目の「アルコール健康障害対策関係者会議」が、霞が関の合同庁舎の会議室で行なわれました。ASK今成代表が委員として出席。
せっかくなので編集部も傍聴に行きました。
関係者会議とはいったいどういうものなのか?
ごく主観的なリポートです。
こうした会議というのは、お役所の敷いたレールに沿って進むもの、というイメージがありました。傍聴手続き後に大量の資料を渡され、その思いは強まりました。(案)と書かれたものがずらっと並んでいます。これを順番に了承していくのかな……眠くなることを覚悟しました。
その予想ははずれました。
会長の選任。久里浜医療センターの樋口進医師が推挙され承認されたあと、会長代理を選ぶことになりました。ぐるりと委員一同を眺め渡す樋口会長。この人かな、あの人かなと傍聴席から思わず想像してしまいます。
指名を受けた見城美枝子委員の「えっ、わたくしですか?」という反応に、空気がいきなりほぐれた感じです。事前の調整はないらしい……。
基本計画策定までの方針やスケジュール案が示され、承認……
かと思いきや、今成が挙手。会議の回数が足りないのではと提起します。
「10の政策分野について4回程度で検討となっていますが、たとえば10のうちのひとつ『飲酒運転等』となっている分野の『等』には、DVや虐待、自殺も含まれます。これだけでも、一回を費やしても終わるかどうか?」
言われてみればその通りです。本気で検討するなら、この回数ではとても足りない!
ワーキンググループを作った方がよいという意見も出され、「具体的な議論に入ってから、回数も方法も柔軟に対応」ということに。
続いて各省庁からの報告。
内閣府の説明のあと、今成が質問しました。
「平成27年度より基本計画の案に関する都道府県向け説明会……と書いてありますが、政令指定都市は?」
予定に入っていないという回答に対し、ぜひ政令指定都市でも説明会をやってくださいと要望。
田辺等委員(全国精神保健福祉センター長会会長・当時)も挙手して、政令指定都市も入れるべきだと意見。
司会役の樋口会長も自ら乗り出し「神奈川県の場合、3つの政令指定都市のセンターが管轄する人口の方が、県のセンターの担当区域の人口より多い」と説明、内閣府に強くプッシュしました。
国税庁の説明には、見城委員が質問。
「これだけの対策をやってきたと説明なさったが、問題はなくなっていない。過去の対策でどれだけの効果が上がったのか、データを示してもらいたい。それをもとに今後、より有効な対策を練ることができる」
警察庁の説明には、回復者で詩人の月乃光司委員が、医療との連携について質問。大事なポイントです。
皆の熱心さに時間が押してしまい、樋口会長が途中で巻きに入るほど。
関係者会議は単なる形式ではなく、まさにこの場で物事が動いていくのだ、形になっていくのだ……という気配が感じられました。
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