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ネット・ゲーム依存

調査/データ

【調査】日本のネット利用実態

2013年の8月に、厚生労働省の科学研究助成を受けて日大医学部の大井田 隆教授を中心に、健康日本21の中間評価指標を作成するため、未成年の喫煙・飲酒に関する調査を行ないました。その中に、インターネット依存に関する調査も盛り込まれたのですが、この調査結果の推計値が報道で大きく取り上げられました。それが、中高生ネット依存52万人報道です。

この「52万人」報道は、2013年8月に報道され、実際の調査は2012年に行なわれました。
2012年時点での中学生の総数は、3,552,663人。高校生の総数は、3,355,609人
合わせると、6,908,727人です。
報道の推計は、51万8千人という推計ですので、おおよそ全体の7.5%ほどになります。
もちろん、現場で子供たちとじかに触れ合っている教職の方は、もっと別の実感を持たれているかもしれません。
また、2012年から時間も経過しており、さらなる端末の普及を考えると、52万人という母数自体も、さらに増加していると考えるのが自然です。

その一年後には、同じく厚生労働省の科学研究助成で、久里浜医療センターの樋口 進医師が調査代表者として、成人の調査も行なっています。
こちらは421万人と推計され、かつ過去に久里浜医療センターが実施した推計値(271万人)から大きく値が伸びていたため、これも世間の注目を集めました。

年代別のインターネット利用率の推移

年代別のインターネット利用率の推移

作成:ASK(総務省の情報通信白書のデータを元に作成)

上記は、総務省の情報通信白書のデータを元に作成した年代別のインターネット利用率の推移です。
まず、見ておかなければいけないのは、6~12歳のインターネット利用率です。5年間で61.6%から74.8%に上昇しています。低年齢層への普及が進んでいます。
もう一つ大事なのは、60~79歳の利用率です。のきなみ10ポイント程度上昇しています。高年齢層のインターネット利用も一般化してきているということです。

これからは若年者のみでなく、高齢者のインターネット依存予防やリテラシー向上にも配慮する環境が生まれつつあると言えるでしょう。