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ライフスキル

WHOが提唱した背景

1998年にWHOがジュネーブで開催した、ユニセフやUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)など関係機関を交えての会議で、ライフスキル教育について濃密な論議が行なわれました。ドラフトが翌年公開され、日本を含め世界各国でその重要性が認識されるようになります。

なぜ21世紀を前に、ライフスキル教育が必要とされたのでしょうか?
会議では世界的な背景として、社会構造の急速な変化や若者のニーズの変化、親の子育て能力の低下、家族形態の変化、人間関係の機能不全、宗教が果たしてきた役割の低下などが挙げられました。

ライフスキル教育の目的は?
これについて会議では個人と社会の両面から言及があり、主として「成長や発展を促す」「問題を予防する」「人権を守る」の3つの分野が挙げられています。

予防すべき問題とは?
思春期の妊娠、HIV/AIDS、暴力、子どもの虐待、自殺、アルコール・薬物関連問題、人種主義、環境問題などです。

会議では、子どもと思春期におけるライフスキル教育の項目が、次のようにリストアップされました。

●意思決定と問題解決
●創造的思考と批判的思考
●コミュニケーションと対人関係スキル
●自己意識と共感性
●感情対処とストレス対処

なお、時期を前後してアメリカでさまざまなライフスキル教育や健康教育のプログラムが開発され、日本にも紹介されました。次のようなスキルが挙げられています。

【KYB(Know Your Body)】
●セルフエスティームの形成 ●目標設定 ●意思決定 ●ストレス・マネジメント ●コミュニケーション

【ライオンズ・クエスト】
●自己責任 ●コミュニケーション ●目標設定 ●意思決定 ●飲酒薬物使用をすすめる仲間の圧力への対抗 ●対立場面への対処 など