平成29年4月1日から適用となった「依存症対策総合支援事業実施要綱」は、都道府県と指定都市が行なうアルコール健康障害対策・薬物依存症対策・ギャンブル等依存症対策について定めたものです。
その概要は――
体制づくり
自助グループを含む民間団体や医療機関など関係機関で検討会を設けて、次のような体制づくりについて協議する。
●医療
*アルコール・薬物・ギャンブルの「専門医療機関」を選定する
*関係機関の連携づくりをする
*専門医療機関の連携拠点となる「治療拠点」を1ヵ所以上選定する
●相談支援
*アルコール・薬物・ギャンブル、それぞれの看板を掲げた「相談拠点」を設ける
*依存症相談員を配置し、関係機関と連携して対応する
(相談拠点では地域の社会資源を把握して支援を行なう)
●地域支援
*アルコール健康障害、薬物依存症、ギャンブル等依存症それぞれについて、「地域支援計画」をつくる(都道府県はアルコールに関しては「推進計画」を策定)
連携会議
精神保健福祉センター等が中心となり、行政・医療・福祉・司法を含めた関係機関の連携会議を定期開催する。
支援者研修
全国拠点である久里浜医療センターでは、指導者育成のための「依存症相談対応指導者養成研修」「依存症治療指導者養成研修」「地域生活支援指導者養成研修」が行なわれるが、この研修を受講した者などを活用し、都道府県や指定都市で次のような研修を実施する。
●依存症相談対応研修
相談支援者を対象に、それぞれの依存症の特性を踏まえた相談支援を行なうための研修
●依存症医療研修
一般精神科、内科、救急医療従事者を対象に、症状への対応や早期発見のための研修
●地域生活支援研修
市町村職員、民生委員、保護司、福祉事務所職員、ハローワーク職員、障害福祉サービス事業所職員、介護職、地域包括支援センター職員、薬剤師、栄養士などを対象にした、依存症の早期発見・介入などの研修
普及啓発・情報提供
冊子やリーフレット、市民向けフォーラムの開催など。
回復支援・家族支援
精神保健福祉センター等で次のような支援を行なう。
●アルコール・薬物・ギャンブル等依存症の集団治療回復プログラム
●家族の心理教育プログラム、家族会や家族教室、個別相談など