ASK設立の翌年の行なわれた中・高生の飲酒実態調査は、当時「飲んではいけないはずだから調査はできない」とタブー視されていた実態に、全国で初めて切り込みました。この調査は、厚生省の研究班によって公的調査が始まるまで数回にわたって続け、社会にニーズが認められたところで役目を終えました。
このように問題を浮き彫りにするための調査(マタニティ・ブック、イッキ飲み、CM、飲酒運転など)をはじめ、社会資源の情報を共有するための調査(保健所調査、治療・相談機関の調査など)、意識向上のための調査(大手酒類メーカー)を続けています。
●中・高生の飲酒実態
1984年8月:中・高生の飲酒実態調査 第1次アンケート調査(首都圏・中高生266名)
1984年12月:中・高生の飲酒実態 第2次アンケート調査(首都圏・中高生1617名)
1986年3月:中・高生の飲酒実態 第3次アンケート調査(全国・中高生1663名)
1988年3月:中・高生の飲酒喫煙実態 第4次アンケート調査(全国・中高生2197人)
●酒類関連(自販機・CM・表示など)
1984年4月:首都圏の成人を対象にした「未成年者の飲酒と酒類自動販売機に関するアンケート調査」実施(首都圏・成人1264名)
1990年9月:千代田区で「はみ出し自販機」の実態調査。7割が道路交通法に違反して公道にはみ出して設置。
1990年6月:「テレビのアルコールCMとドラマの飲酒シーン」について調査。8月には関西地域で調査。
1991年4月:東京で開かれたWHOアルコール関連問題国際専門家会議に出席した10カ国の代表に、アルコール対策についてインタビュー調査。
1993年12月:世界のアルコール広告規制と警告表示について資料を収集。
2000年5月:酒類自動販売機の撤廃状況の実態調査。
2001年11月:果物を強調した低アルコール飲料について調査。
2009年7月:テレビのアルコールCM調査を実施、女性がターゲットとなっている実態が明らかに。
1993年10月~:大手酒類メーカーに「アルコール関連問題の予防についてのアンケート」を実施(以後、毎年実施)
2010年7月:誤認を招く低アルコール飲料の果実表示について調査。
●出版物の中の表記・表現
1986年1月:マタニティブック妊娠中の飲酒についての警告があるかどうかを調査(35冊)
1988年1月:少年・少女マンガに見る飲酒シーンの調査(13誌)
1989年5月:レディスコミックに見る女性の飲酒に関する調査(18誌)
1998年6月:看護テキストの依存症についての表記を調査(4冊)
1999年2月:医学テキストの依存症表示について調査(6冊)
1999年3月:家庭医学書の依存症表記を調査(9冊)
2003年11月:母子手帳とマタニティブック(22冊)について、妊娠中の飲酒のリスクの記載について調査、「妊娠中は禁酒」と明記したものは5冊だった。
●治療相談先・自助グループなど
1987年:全国のアルコール医療・相談機関・自助グループへのアンケート調査を実施、10月にこの結果をまとめた『アルコール依存症対策実践ガイドブック』を刊行。
1989年11月:全国の保健所に、酒害予防対策についてのアンケート調査実施。
1990年:全国のアルコール医療・相談機関・自助グループへのアンケート調査。
1994年9月:全国のアディクションの相談・治療先・自助グループ・リハビリ施設などに、治療プログラムなどに関する大規模アンケート実施。
2002年:全国のアディクションの相談・治療先・自助グループ・リハビリ施設などに、治療プログラムなどに関する大規模アンケート実施。
2020年:依存症当事者・家族のオンライン活動に関するアンケート調査を実施(厚生労働省からの委託事業)
●イッキ・アルハラ、若者の飲酒
1991年8月:湘南海岸で<飲酒と水泳>についてアンケート調査。
1992年4月:大学生のイッキ飲みによる死亡が相次いだため、FAXと手紙による「イッキ飲み被害110番」を実施。この調査結果をもとに、緊急シンポジウムを開催。遺族による「イッキ飲み防止連絡協議会」(ASKが事務局)が結成され、毎年の防止キャンペーンが始まった。
1996年12月~1997年1月:年末年始のテレビの「イッキ飲み」シーンを調査。
2000年4月:FAXとメールによる「アルハラ被害110番」を実施、『アルコール・ハラスメント――アルハラ110番にみる被害の実態と対策』を発行。
2010年3月:イッキ飲ませやアルハラの被害実態を調べるため「全国学生アルコール・ハラスメントWEBアンケート」を実施。
2014年7月:全国321の大学を対象に「アルハラ対策」について調査。
●飲酒運転
2006年12月:断酒会の会員と家族を対象に、飲酒運転についてのアンケート調査。飲酒運転の背景にある問題について、社会に広く訴え。2007年には飲酒運転による「懲戒処分事例の分析」を行ない、2008年には「教職員による飲酒運転 懲戒処分事例の分析」と「飲酒運転 代行運転の落とし穴」の事例分析、2011年「警察職員による飲酒運転 事例の分析」、2013年には「若者の飲酒運転事例の分析」「女性の飲酒運転事例の分析」を実施。
2006年11月:アメリカ・カリフォルニア州の飲酒運転再犯防止システムを視察調査。
2007年4月:オーストラリア・NSW州の飲酒運転再犯防止システムを視察調査。
2007年11月:飲酒運転 懲戒処分事例の分析。
2008年11月:飲酒運転 運転代行の落とし穴 事例の分析。
2011年12月:警察職員による飲酒運転事例の分析。
2013年7月:女性の飲酒運転事例の分析。
2013年6月:若者の飲酒運転事例の分析。