インターネット依存症の度合いは、どうやって計測すればよいのでしょうか。
現在、いくつかの主要なスクリーニングテストがありますが、その中でも特に多く用いられているのが、「インターネット依存」の概念を提唱したピッツバーグ大学のキンバリー・ヤング博士が作成したDiagnostic Questionnaire (DQ)とInternet Addiction Test (IAT)です。
Diagnostic Questionnaire (DQ)は、8項目の簡単な自己診断で、5項目に当てはまった場合に依存症の危険性を警告するものです。
Internet Addiction Test (IAT)は、20項目の質問について、5段階で回答する自己診断で、その総合点で依存の度合いを計るものです。
特にIATは、多くの調査に用いられ、事実上の標準的な指標となっています。
ただし、いずれも作成時とは環境や機器の状況が大きく変わってきており、新たな標準的スクリーニングテストの作成が待たれるところです。
Diagnostic Questionnaire (DQ)
- ネットに夢中になっていると感じますか(例えば、前にネットでしたことを考えたり、次に接続するときのことをワクワクして待っているなど)
- 満足を得るためには、ネットを使っている時間をだんだん長くしていかなければならないと感じていますか
- ネット使用を制限したり、時間を減らしたり、完全にやめようとしたが、うまくいかなかったことがたびたびありましたか
- ネットの使用時間を短くしたり、完全にやめようとしたとき、落ち着きのなさ、不機嫌、落ち込み、またはイライラなどを感じますか
- はじめ意図したよりも長い時間オンライン状態でいますか
- ネットのために、大切な人間関係、仕事、教育や出世の機会を棒に振るようなことがありましたか
- ネットのハマり具合を隠すために、家族、治療者やほかの人たちに対してうそをついたことがありましたか
- 問題から逃れるため、または絶望的な気持ち、罪悪感、不安、落ち込みといった嫌な気持ちから解放される方法としてネットを使いますか
翻訳:久里浜医療センターTIAR(Young K.S.CyberPshychology and Behavior.1:237-44,1998)
引用:樋口 進、ネット依存症のことがよくわかる本より抜粋
上記の設問のうち、5項目以上あてはまる場合、キンバリー・ヤング博士は「インターネット中毒(インターネット依存症)」であると述べています。
原文は、キンバリー・ヤング博士のnetaddiction.comからご覧ください。
netaddiction.com
※ページ中段「Signs of Internet Addiction」がDiagnostic Questionnaire (DQ)の原文になります。
Internet Addiction Test (IAT)
IATの項目については、独立行政法人 国立病院機構 久里浜医療センターのホームページをご覧ください。
独立行政法人 国立病院機構 久里浜医療センター:ネット依存のスクリーニングテスト
原文は、キンバリー・ヤング博士のnetaddiction.comからご覧ください。
netaddiction.com:Internet Addiction Test (IAT)