松本俊彦医師らが、全国初の調査を行ない、結果を2011年に発表した。
この調査は、2009年12月の1ヵ月間に全国5ヵ所の一般精神科外来に受診した、うつ病患者775名を対象に、AUDIT(WHOのスクリーニングテスト)でアルコール問題を評価したもの。
対照群は、05年に一般住民を対象として行なわれた全国調査。
●うつ病の男性患者では
「アルコール依存症水準の問題飲酒」が8.8%(対照群1.6%)、女性患者では4.7%(対照群0.2%)で、男女とも、うつ病患者では一般住民に比べて顕著に高い。
●「健康被害の可能性が高い問題飲酒」は
男性患者の18.5%(対照群15.2%)、女性患者の11.2%(対照群2.1%)で、同じく男女とも高率。
●特に40~50代の男性うつ病患者では
「アルコール依存症水準」13.4%、「健康被害の可能性あり」18.7%で、合わせて3割以上にアルコール問題が認められた。
●女性うつ病患者では
一般女性と比べて、すべての年代でアルコール問題が高率。
さらにこの結果から、「うつ病に罹患していることがアルコール問題を生じる危険」に関するオッズ比を試算したところ、うつ病罹患は、
●20~50代男性および40~50代女性の「アルコール依存症水準の問題飲酒」の リスクを約5.6~7.6倍高める。
●全年代の成人女性における「健康被害の可能性が高い問題飲酒」の リスクを約4.7~17.6倍高める。
アルコール依存症は、治療・援助を受けて回復することが可能です。
けれどわが国では、この病気についての誤解や偏見が根強いため、よかれと思っての対応が病気を悪化させてしまうことがよくあります。そこで・・・
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