アルコール・薬物・その他の依存問題を予防し、回復を応援する社会を作るNPO法人「ASK(アスク)」の情報発信サイト

ギャンブル依存

アスリートのギャンブル問題について

2015年から16年にかけて、プロ野球選手の野球賭博問題や、バドミントン選手の闇カジノ問題などが次々と発覚しました。
選手たちはプレーする場や仕事を失い、スポーツ界や社会から非難を浴びせられ、その一方で依存症としての介入や支援はまったくなし……。

ASKは2016年春、「ギャンブル依存症問題を考える会」とともに、ネット上で呼びかけを行ないました。
呼びかけ文から抜粋してご紹介します。

日本は、場外馬券場・サッカーくじ販売店・パチンコ店など事実上のギャンブル施設が街のいたるところに設置されている「ギャンブル大国」です。
それにもかかわらず、青少年やアスリートをギャンブルから守る具体的な取り組みは、ほとんど行われていません。
懸命に努力して若くして成功し、大きなお金を手にしたアスリートが、つい手を出したギャンブルの深みにはまっても不思議はない社会環境があるのです。

また日本文化には、先輩後輩の縦の結束という特性があり、先輩からの誘いを断われなかったり、逆に先輩が一緒だからと安心して、違法と知りつつ一線を踏み越えてしまうことも起こりえます。
「スポーツマンシップ」という言葉で、アスリートに高潔さを求める精神論だけでは、問題は解決しないのです。

海外では、アスリートはノン・アスリートに比べてギャンブル依存のリスクが高いとの研究が多数発表されています。引退したアスリートはさらにハイ・リスクという研究もあります。
勝利を求めることや、試合での緊張と興奮は、ギャンブルとの親和性が高いのかもしれません。
問題を予防するため学生時代からの教育や、問題が起きたときの介入、回復への支援を行なうシステムづくりが必要です。