アルコールを飲んで悪酔いするかしないかは、生まれつきの体質
実は、日本人の約4割は、生まれつき「飲めない族」、つまりアルコールをまったく受けつけないか、少量飲めても悪酔いしやすい体質なのです。
体質の違いを決めるのは、「ALDH2」という酵素の働き方。
酒類に含まれるエチルアルコールは、肝臓で分解されると毒性の強い「アセトアルデヒド」になります。この物質は頭痛や吐き気、動悸などを引き起こします。このアセトアルデヒドを分解して酢酸に変える酵素のうち、いちばんの働き者がALDH2なのです。
ALDH2がうまく働かないと、アセトアルデヒドが体内にたまって苦しい思いをします。
これが「飲めない族」。一方、残りの6割の「危ない族」、つまり飲んでも悪酔しない人は、ALDH2の働きでアセトアルデヒドがどんどん分解され、頭痛や吐き気などをあまり経験しません。 そのかわり、アルコール依存症や内臓疾患にかかる可能性が高いから「危ない族」なのです。
自分の体質を正しく理解し、また他人の体質を尊重して、飲み過ぎや無理強いはやめましょう。
■全く飲めないタイプ → ぜんぜん飲めない族
日本人の約1割
ALDH2が全く働かず、どんなに訓練しても飲めるようにはなりません。
ビール1杯で動悸がし、失神することも。このタイプに無理にお酒をすすめるのは拷問と同じ。
■飲んだら悪酔いするタイプ → ホントは飲めない族
日本人の約3割
ALDH2がわずかに働くため、訓練すれば赤くなりながらも多少は飲めるようになることも。
でもこの体質の人はアセトアルデヒドがたまりやすく、肝臓などの臓器に害を 受けやすいのです。飲むための訓練は体のためにはちっとも良くありません。
■悪酔いしないタイプ → 飲みすぎ注意の危ない族
日本人の約6割
喜ぶのはまだ早い!アセトアルデヒドによる悪酔いをあまり経験せずにアルコールの酔いを楽しむことができるため、ついつい飲み過ぎてしまうのです。アルコール依存症者の9割以上がこのタイプの人。肝臓障害のリスクも大きいので要注意。
なお、これらの体質に関わらず、短時間に多量のアルコールを摂取するなどの不適切な飲酒の結果として、すべての人が急性アルコール中毒におちいる可能性があります。