2019年の厚生労働省 監視・指導麻薬対策課が作成した「ダメ。ゼッタイ。普及運動」のポスターについて、2019年7月17日、同省に要望書を提出しました。
「破滅」を強調することで、薬物乱用者に対する社会的排除の風潮を助長し、早期相談・治療・回復・社会復帰を阻害するためです。
すでに国連をはじめとする世界の国々では、薬物問題を健康問題ととらえ、非犯罪化して重篤化を防止する方向に舵を切っています。
わが国でも、厚生労働省に大臣を本部長にした「依存症対策推進本部」が2016年に設置され、2018年には精神・障害保健課に「依存症対策推進室」が発足しました。
また2016年に「再犯防止推進法」(社会において孤立することなく、国民の理解と協力を得て再び社会を構成する一員となることを支援することが目的)が施行されています。
排除・孤立させないことが、依存症対策には不可欠です。
「ダメ。ゼッタイ。普及運動」の弊害に目を向け、路線の見直しを図る時期にきています。
要望は以下の三項目です。
1.2019年「ダメ。ゼッタイ。普及運動」ポスターの掲示中止。
2.来年度以降は「ダメ。ゼッタイ。」の路線を見直し、相談や回復につながるようなポスターを作成・掲示すること。
3.International Day Against Drug Abuse and Illicit Traffickingを、「国際麻薬乱用撲滅デー」ではなく、正しく「国際薬物乱用・不正取引防止デー」と訳すこと。