3月26日、第2期「アルコール健康障害対策推進基本計画」が閣議決定されました。
厚生労働省のサイトで全文をダウンロードできます。
以下は、アルコール健康障害対策関係者会議の委員(会長代行)として、策定に携わった今成の解説です。
基本計画の見直しは関係者会議での9回の討議により、まとめられました。
ASKでは第1期を「連携の基本計画」と名付けていましたが、第2期はその連携をさらに具体的に進めるものになっています。
すべての都道府県・政令指定都市で関係者連携会議を「年に複数回実施」することが重点目標に示されました。
早期発見から簡易介入・専門医療・自助グループへとつなげる「SBIRTS」という言葉も入りました。
アルコール依存症の人たちはほとんどが関連疾患で内科を受診しますが、依存症と診断されることもなく専門治療につながりません。
この治療ギャップを解消するために、多くの委員が、介入に対する診療報酬の必要性を訴えました。
最後の最後に、「適切な診療報酬のあり方の検討に資するように、そのコストと有用性に係る知見の集積を進める」という文言が入ったのは大きな布石です。
予防では、一時多量飲酒という言葉が初めて入り、習慣飲酒でなくても酩酊が関連問題の発生に関与することが示されました。
ストロング系問題にも言及、「飲酒ガイドライン」と連動して、酒類業界が容器への重量表示を速やかに検討することになりました。
すでに、ホームページに重量表示を掲示したメーカーもあります。
厚労省の事務局は、途中で担当者が複数入れ替わる中、よく尽力してくださったと思います。
超党派「アルコール問題議員連盟」(会長:中谷元衆議院議員)も後押ししてくださいました。
基本法制定時に、「形はできた、魂を入れるのはこれから」と議員が口々におっしゃっていましたが、ずっと見守ってくださってる議員の方々に感謝します。
詳しい解説は、季刊Be!142号をご覧ください。