発足の経緯
「依存症オンラインルーム」は、ASK認定依存症予防教育アドバイザーによる、依存症の進行・再発予防をめざす自主活動。いわばオンライン上の自助グループです。
発足は、2020年4月、コロナ禍による1回目の緊急事態宣言下。きっかけは、通常の自助グループが開催できなくなったことでした。異なる自助グループに属するアルコール・薬物・ギャンブルの当事者メンバーたちが、オンラインで活動しようと声をかけあい、A・D・N・Gの4つのルームがスタートしたのです。
5月には、家族メンバーが動き、DとNにそれぞれ家族専用のルームが誕生。
10月にはネット・ゲーム依存の当事者によるNGが加わり、5つのルームになりました。
DとNには、女性専用(性自認が女性の方を含め)のルームもできました。
運営メンバーは、メッセンジャーグループでつながっており、そこには、アドバイザー仲間が主宰している3つの連携グループの運営メンバーも入っています。LINEオープンチャットを使った「三森自助グループの森」(ACを中心にした生きづらさがテーマ 2019年8月発足)、「ルームE」(摂食障害当事者 2020年11月発足)、「ルームK(クレプトマニア 窃盗症当事者 2022年2月発足)です。
運営方針
「依存症オンラインルーム」の特長は、ホストが全員、ASK認定依存症予防教育アドバイザーであることです。各ルームは独立して自主的に運営しており、お互いにゆるく連携しています。ASKはZoomアカウントを提供し広報を受け持っていますが、運営には関わりません。
各ルームは、基本的に運営メンバーたちが所属する自助グループのやり方を踏襲しつつ、スカイプなどによるチャット(文字)とZoomミーティングを併用して活動しています。
参加者はメールでの受付後、まずチャットルームへ、そのあとZoomミーティング・例会へという流れになります。N(薬物)はZoomミーティングのみです。
依存症オンラインルームの運営方針
- ASK認定依存症予防教育アドバイザーによる自主活動である(ホストは全員、アドバイザー)
- ASKは有料のZoomプロアカウントの提供と広報によって、活動を支援する
- 各ルームは独立しており、運営方法やガイドラインも各ルームで決める(所属する自助グループのやり方を基本にしつつ、ルーム運営メンバーで話し合っていく)
- 運営メンバーは全体グループで情報を共有しあい、ゆるく連携していく
- 安全性の確保のため、SkypeやZoomのID・パスワードは一般公開しない(簡単な自己紹介をメールで送ってもらい、受付後に、チャットルームやミーティング・例会に招待する方式をとる)
思いがけない効果
医療機関や保護観察所などからの紹介で、参加する人が相次いでいます。医療機関の中には、スタッフがオンラインをつなぎ患者さんを参加させてくれるところもあります。
うれしいことに、ルーム参加者の中から、実際の自助グループにつながる人も出てきました。
専門医療機関も自助グループもない離島からの参加。幼い子どもをもつシングルマザーや、夜間の外出がむずかしい高齢者の参加。海外赴任地からの参加。そして、家族のルームにつながった配偶者に誘われて依存症当事者が画面に登場するなど……。
これはすごい! 私たちは、大きな手ごたえを感じました。もしかすると、これは、自助グループを補完する活動になるのではないか!
ルーム間の連携が、大きなメリットであることも実感しました。たとえば、アルコール依存症で、ギャンブルや処方薬の問題もある場合は、他のルームにも紹介できます。なにか問題が起きたら、全体グループで相談すれば、他のルームの経験を聞くことができます。
2020年5月25日、1回目の緊急事態宣言が解除された日に、私たちは全体グループで、依存症オンラインルームを続けるかどうか話し合いました。結論は、全員一致で継続。そのときにあげられた理由が以下です。
私たちが「依存症オンラインルーム」を続ける理由
- 地域の自助グループは再開されているが、通常に戻ったとは言えない状態。「コロナの時代を共に生きる」ため、オンラインでつながる場をキープしておく必要がある。
- オンラインにはどこからでも集えるよさがあり、遠くの仲間にも会え、自助グループがない地域からもスマホさえあれば参加できる。介護や子育て、障害があるなど、外出がむずかしい状況でも参加できる。
- オンラインルームに参加したことを契機に、リアルの自助グループにつながる例も多く出ており、橋渡し効果が期待できる。
- コロナ禍で入院患者さんが地域の自助グループにつながれない状況があり、医療機関からの紹介が増えている。また、医療機関とオンラインでつながり体験発表を出前するなど、メッセージ活動の機会もある。
- Zoomミーティングについては、医療・福祉などからの参加が可能なルームもあり、支援者に自助グループを体験してもらうことができる。
各ルームの活動状況と参加申し込みフォーム
活動状況は、基本2021年7月末時点のものです。
参加をご希望の方は、各ルームの参加申し込みフォームからお申し込みください。担当者から、ご案内の返信が届きます。支援者のオブザーバー参加についても、各ルームにお問い合わせください。
下記のルーム名をクリックまたはタップすると、そのルームの活動状況の詳細をご覧いただけます。
参加申し込みフォームもそちらから開くことができます。
各オンラインルーム担当者は、自身の仕事を持ちながらボランティアで運営・管理をしています。
返信までに時間がかかる場合がありますが、ご了承ください。
なお、「依存症オンラインルーム」は、ASK認定依存症予防教育アドバイザーがホストを務める、以下のオンライングループと連携しています。
各ルームの受付メールアドレス一覧です。「参加申し込み・お問合せフォーム」は、そのルームの受付担当者に届きます。
もし、返信が届かないなどの問題がありましたら、直接メールでお問い合わせください。
【アルコール依存症 アノニマス系】
Room A:123cookai12aa@gmail.com
【アルコール依存症 断酒会系】
Room D:nana19640229@gmail.com
Room DA:askroomda@gmail.com
Room DF:mugana@msn.com
【薬物依存症】
Room N:higo.no.ie@gmail.com
Room N女:room.njyo@gmail.com
Room NF:vilavid6@hotmail.com
【ギャンブル依存症】
Room G:toru.saeki.0506@gmail.com
【ネット・ゲーム依存症】
Room NG:ask.roomng@gmail.com
【摂食障害】
Room E:anzmym0@gmail.com
roome_ask_w@protonmail.com
ask.roome12@gmail.com
【クレプトマニア】
Room K:ask.roomk@gmail.com
依存症オンラインルーム紹介用ポスター
医療機関等での掲示にご協力ください。
ポスターはこちらからダウンロードできます (PDF 3.2MB)